環境・エネルギー材料に向けたヘテロ構造を有する遷移金属系ナノ空間材料の 汎用的合成法

黒田 義之
(早稲田大学 高等研究所 助教)

2017年3月27日月曜日

2016年度総括

早いものでもう2016年度も終わりとなって参りました。
本当はもっと更新しなければいけなかったのですが、後回しとなってしまいすみませんでした・・・

実は、3月1日より横浜国立大学大学院工学研究院機能の創生部門に異動いたしました。
早稲田大学での前職の任期が3月末に迫っておりましたので、その直前での異動となります。
早稲田大学での生活も長かったですが、元々横浜から早稲田に通っていましたので、こちらもなじみのある大学です。

また、ちょうど異動を前に、これまでの成果を論文に発表しました。
Direct Synthesis of Highly Designable Hybrid Metal Hydroxide Nanosheets by Using Tripodal Ligands as One-Size-Fits-All Modifiers
(三脚型配位子をフリーサイズな修飾分子として用いた高設計性ハイブリッド水酸化物ナノシートの直接合成)
黒田義之、小市竜之、村松佳祐、山口和也、水野哲孝、下嶋敦、和田宏明、黒田一幸
私が在籍していた早稲田と東大の研究グループの共同研究です
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201700580/full

大変光栄なことに、論文誌の研究内容を表したイラストを表紙に採用して頂きました。

この論文では、三脚型配位子という分子を使うことで、いろいろな金属から出来た水酸化物ナノシートが合成できるということについてまとめました。
ナノシートというのは(厳密には大分違いますが、)金箔を原子レベルになるまで、もっともっともっと薄くしたような物質で、表面積がとても大きいため、金属の使用量がごく僅かでも高い性能を発揮することができます。
このため、エネルギー材料などへの応用がとても注目されています。
Wikipediaによると、金箔の厚みは0.0001ミリメートルくらいとのことですが、ナノシートは0.000001ミリメートルくらいしかないので、作り方も性質も全く違う材料になります。

今回開発した技術は、ナノシートの分野で三脚型配位子を使った初めての研究なのですが、そうすることでこれまで想像したよりも色々な金属種を含むナノシートを合成することに成功しました。
ナノシートは早稲田のグループが、三脚型配位子は東大のグループが得意としている技術で、それらの技術を上手く組み合わせてこの成果にたどり着くことができました。
わが国伝統のお寿司も、色々なネタを同じ方法(お米に載せる)で食すという意味で、似ているかなと思い、上記のようなイラストを投稿することにしました。

ありがたいことに、論文は多方面から注目して頂き、Author Profileといって、インタビュー記事も掲載されています(英語ですが・・・)。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201700582/full

また、出版社のニュースサイトChemistry Viewsでも紹介されました。
http://www.chemistryviews.org/details/ezine/10488729/Designable_Hybrid_Metal_Hydroxide_Nanosheets.html

この様に、今回の研究助成で頂いた資金を使い、微力ながらもこの分野の歩みを一歩進める様な貢献が出来たのかなと思っております。
この研究経験・成果を励みに、新天地でもより一層の研鑽に努めて参りたいと思います。
横国では再生可能エネルギーに関連した技術開発に携わる予定ですので、こういった技術を日本のエネルギー問題の解決のために発展させて行きたいと思っております。

この場を借りまして、研究にご支援頂いた財団関係者の皆様や、共同研究者の皆様に感謝をさせて頂き、本年度の締めくくりとさせて頂きますと幸いです。
本当にありがとうございました。

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